ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。ベトナムの文化遺産には村のおきてである郷約(きょうやく)が貴重な価値を持ち、それぞれの村には独自のおきてが制定されていますね。
ホアイ そうですね。今日のこの時間はその村のおきて 郷約(きょうやく)についてご紹介しましょうか?
アン はい。いいですね。17世紀のチャン(陳)王朝時代に、これらのおきてはベトナムの各村で普及してきました。郷約は村落の治安と秩序、人と人との付き合い、親に対する子の義務、夫に対する妻の義務、弟に対する兄の義務などに言及しています。
ホアイ 村のおきては禁忌のタブーや犯罪の処罰も明記しています。また、村のおきてには現在に通じる条例がたくさんあります。特に、各村のおきては教育の重要性を重視しています。
アン 例えば、今から100年前に制定されたハノイ市ニャットタン( Nhat Tan) 村のおきては「子供に通常の見識を教えるのは父兄の義務であり、断わる事はできない」と明記していますね。
ホアイ そして、村のおきては教師と教え子との関係に関して、教え子ならば教師を尊敬しなければならない」との勧めがあります。これはベトナム文化の美しさを示していますね。
アン そうですね。1906年に制定されたハノイ郊外にあるフ・サ・ドアイ( Phu Gia Doai) 村のおきては「男女を問わず、5,6歳になる子供全てを登校させる義務がある。学校に登校させず、子供を教育できなくて、他人と殴り合うならば、親は罰金を支払うことになる」と明記しています。
ホアイ これらのおきては昔から制定されていて、必要の場合に、補充、改正されてきました。現在、多くの村は村の建設に対する村人の責任を決めています。ハノイの市民チャン・ホン・ドック( Tran Hong Duc) さんは次のように語りました。
(テープ)
「私の出身地は北部フンイェン省クアイチャウ県タンコン村です。昔の村のおきてには「他の村に嫁いだ女性は村の道路建設のため、床タイル5百枚を寄付しなければならない」という条例がありましたが、今日はこんな条例は廃止され、新しい農村作りへの寄付を呼びかけています。」
ホアイ ドックさんの話でした。では、この辺でちょっとティタイムにして歌をお聴きいただきましょう。
トゥンズオン( Tung Duong) が歌った「我が故郷」( Oi que toi) でした。
アン 話を続けましょう。実際、国の法律に伴い、各村のおきては現在も存在しています。村のおきては地方の独自性を持っていますが、国の法律は村のおきてから生まれたものもあるので、矛盾するものではありません。
ホアイ ベトナム民間文化研究者のゴ・ドゥク・ティン( Ngo Duc Thinh) 博士は次のように語りました。
(テープ)
「国の法律は一般的なもので、村のおきてはその法律の具体化です。そのため、私たちは村のおきてに国の法律を盛り込む必要があります。実際、現在、新農村作りを行っている村のおきてには法律の内容が含まれています」
ホアイ ティン博士の話でした。近年、ベトナム祖国戦線は「国民全体が団結して、居住地での文化的な生活作りに取り組む」という運動を展開しましたが、この運動の一環として、各地方の祖国戦線は行政当局のアドバイスを受け、居住地でのおきての補充、改正を行っていますね。
アン そうですね。これらの居住地のおきては地元住民が寄せられた意見を参考にして制定されました。冠婚葬祭などに関する新しいおきてが住民の支援を受け、実際に展開されました。
ホアイ そうですね。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
「私の村」 ( Lang toi) をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はベトナムの郷約(きょうやく・村のおきて)についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。